「肩こりだから肩を揉む」が実は逆効果な理由。局所マッサージの落とし穴

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①肩こりの原因は肩じゃないことが多いから

②肩を揉むことで歪みがひどくなる可能性があるから

③頑張って頭や腕を支えている肩の筋肉を傷つけてしまうことも

①肩こりの原因は肩じゃないことが多いから

私が今ままで20年以上整体師を続けてきた中で、肩こりの方のほとんどの方が猫背や巻き肩の方なんですね。

猫背や巻き肩はほとんどの方が頭部や腕が体の前面にずれてきます。

頭や腕は結構な重さがあるのですが、これが前にずれることでその重さが直接的に首と肩にかかってくるんです。

この頭と腕の重さを支えている首と肩の筋肉を緩めても、本質的な解決にはならないんですね。

②肩を揉むことで歪みがひどくなる可能性があるから

①で書いた通り、肩こりの根本原因は猫背や巻き肩であることが多いのですが、その歪みを頑張って支えている首や肩の筋肉をほぐすことで歪みがさらにひどくなるケースがあるんです。

肩のマッサージはほとんどの場合、うつ伏せでマッサージされることが多いと思いますが、うつ伏せでほぐされる部位というのは肩から肩甲骨の背中にかけて、身体の後ろ側の筋肉が多いです。

大体肩こりの原因は、身体の前側の筋肉が縮んで、後ろ側の筋肉は引き伸ばされる状態で体を支えていることから起こっていることが多いのですが、

元々引き伸ばされている身体の後ろ側の筋肉を緩めることで、さらに身体の前側の筋肉が縮んで猫背や巻き肩などの歪みがさらにひどくなってしまうことがあるんです。

③頑張って頭や腕を支えている肩の筋肉を傷つけてしまうことも

この頭や腕の重さをさせている首や肩の筋肉は、常に緊張状態で酸欠状態が続いています。

これが血流障害を起こして肩こりにつながるのですが、この緊張からの酸欠状態が続いている組織は筋力が弱化していることも。

その弱った筋肉をぎゅうぎゅう強く押すとどうなるか?

筋肉が傷ついてしまうことがあるのですね。

傷ついた筋肉が一時的には炎症が起きて血流が良くなったように感じますが、炎症が治った後はより血流が悪くなってしまいます。

これがマッサージの無限ループを引き起こす原因です。

こうやって一つ一つ紐解いていくと、局所だけのマッサージを我々整体師が嫌がる理由がなんとなく理解していただけたのではないでしょうか?

やはり、肩こりは姿勢を正し、血流を良くすることで予防するのが一番ですし、困ったら身体の歪みをバランスよく正してくれるプロに頼るのも一つの手ですよ。

執筆者:佐藤正亮

辻堂の整体サロンRELEASE オーナー兼院長。

整体師歴24年、のべ6万人以上の施術実績を持つ。

独自の整体理論「コアファンクショナルメソッド」を開発し、湘南から横浜、県外にかけて多くの症状改善に貢献してきた。

セミナー講師としての登壇や、整体師向け育成プログラムの開発にも携わり、姿勢とバイオメカニクスに基づく根本改善メソッドを伝え続けている。

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