膝の痛みはやりたいこともできなければ日常生活にも支障が出てしまうので、痛みが出た時は早急に対処しましょう。
Q 最近膝が痛むのですが、どういう原因で膝が痛くなるんですか?対処法は?
A よくある膝の痛みの理由を上げてみました。
①変形性膝関節症
②半月板損傷
③靭帯損傷
④オスグット
⑤ジャンパーズニーなど
①変形性膝関節症
変形性膝関節症は、加齢により膝の軟骨や半月板が変性し傷ついたり、削れてしまって起こるものです。
経験上、大体太ももの骨とひざ下のスネ周りの骨の位置関係がズレてしまって、内側か外則の軟骨同士が摩擦を起こしやすい状況になっている場合が多いです。
程度にもよりますが、よっぽど重傷でなければ太ももとスネ周りの骨の位置関係、アライメントと周囲の筋力バランスを改善することで軟骨の変形が起こっていても痛みを感じずに生活をすることが出来るようになっていくことが多いです。
主に女性の方が膝の変形が起きやすいのですが、軟骨の変形が起きている時は、膝の周りの靭帯も変性を起こしている場合が多いので、筋力やアライメントのチェックだけでなく靭帯のチェックも必須です。
そして、膝の変形が起きる状態の時は、大体足首や股関節の動きが悪い場合や足首、股関節周りの筋力バランスが崩れていることが多いので合わせて足首と股関節のチェックをしていきます。
変形性膝関節症の回復具合は、ザックリいってしまうと痛み始めてからの年月が一番問題になるかもしれません。
やはり、変形が進めば進むほど、下半身の歪みが大きければ大きいほど回復しづらくなっていくと思います。
あくまで経験上の見解ですが。
痛みを感じたり、整形で変形性膝関節症と診断されたらぜひ一度早期に膝のチェックにいらしていただけたらと思います。
②半月板損傷
半月板損傷は多くは膝に対して耐えきれないほどの力がかかり、クッション材としての半月板が傷ついて起こるものが多いです。
バイク事故やスポーツでの外傷的なものが多いイメージだと思うのですが、日常生活の中でも些細な動作が引き金となって起こることもありますし、繰り返しの負担が積もり積もって起こる場合もあります。
①の変形性膝関節症でも、半月板も傷ついている例も多くあります。
そういう日常的な場面で起こる半月板損傷は、膝の靭帯にトラブルを抱えているケースがとても多いです。
過去に靭帯損傷を経験していたり、体質的や年齢的に靭帯が弱っていたり緩んでいた入りするケースに多いようです。
そういう外傷でない場合の半月板損傷の場合は、半月板に負担をかけてしまう膝の歪みを取ることで楽になる方が多いです。
ただし、半月板損傷の場合は破れた半月板が関節に噛み込みを起こして膝が曲がらない伸びない状態になってしまう時があります。
その時はやはり整形的な、外科的な処置が必要だと思います。
いずれにせよ、膝の可動域、膝周りの筋力チェック、靭帯のチェックは欠かせません。
③靭帯損傷
膝には前後左右に関節を安定させるための靭帯が4つあるのですが、靭帯損傷というとこの4つのどれかを痛めている状態です。
大体がスポーツや事故などの外傷性です。
膝の左右を支えている側副靭帯や膝の後ろ側を支えている後十字靭帯は、多くは保存療法で治療されることが多いようです。
膝の前側を支えている前十字靭帯だけが手術で再建術を行うことが一般的なようです。
私たちは膝の痛みを訴えてくる方は大体この4つの靭帯はチェックをします。
中には側副靭帯や半月板の軽い損傷がある方もいらっしゃいますが、足首や股関節、骨盤の状態を整え周りの筋力バランスを整えておくと大抵自然治癒することが多いようです。
④オスグット
オスグットは成長期のスポーツ少年に起こりやすい症例です。
膝のお皿の下に脛骨粗面という盛り上がった部分があるのですが、ここに膝の伸ばすのに一番重要な筋肉の太ももの前面の筋肉の腱が付着します。
このお皿の下の盛り上がった脛骨粗面の部分が痛みを発します。
成長期は骨の成長が急速、かつ骨の強度はまだそこまで高くないので、骨の成長に筋肉の成長が追いつかないことと、繰り返し脛骨粗面に牽引する力がかかることで脛骨粗面の軟骨が遊離してしまうこともあるようです。
治療としては安静が1番のようです。
私たちは太ももの前面の筋肉ををはじめとした膝周囲の筋肉の柔軟性と筋力バランス、そしてやはり足首や股関節の筋力バランスのチェックと可動域チェックを行います。
成長期を過ぎると自然に治癒すると言われいますし、安静が一番と言われているのですが、少しでも子供たちがスポーツを楽しめたらとこういう施術をしていきます。
⑤ジャンパーズニー
これはもろにスポーツ障害ですね。
先ほど出てきた脛骨粗面と膝蓋靭帯に、ジャンプを繰り返すことで継続的に負担が蓄積して起こります。
バスケットやバレーボールなどジャンプを繰り返す競技に多いです。
バスケットの神様と言われているマイケルジョーダンも、キャリアを通じてこのジャンパーズニーに悩まされていたと言います。
このジャンパーズニーのアプローチとしては、主に着地の時の衝撃を、膝以外の組織にも負担してもらえるように身体の調整を施していきます。
足首や臀筋、そして腹筋や背筋など、全身をバランスよく使えるように身体を整えていくことで膝にかかる負担を軽減するのが狙いです。
よくある膝の症例をあげましたが、他にもリウマチ性のものがあったり、血管性の痛みがあったりともちろん他にも問題はありますので、膝の痛みでお困りの場合は是非一度ご相談ください。
膝の解剖学
膝は大腿骨と膝蓋骨、そして脛骨と腓骨の4つの骨から構成されています。
筋肉は大腿四頭筋と言われる大腿前面の筋肉、ハムストリングスと言われる大腿後面の筋肉、内転筋と言われる大腿内側部の筋肉、そして腸脛靭帯と言われる大腿外側部の靭帯、そして下腿部の腓腹筋から構成されています。
それに関節を包んでいる靭帯性の関節包や、各部の靭帯、そして関節の内部にある軟骨や半月板などの組織によって作られています。
膝の痛みはこれらのパーツのどこかが痛んで痛みが出ていることが多いです。